2009年11月21日土曜日

Hallelujah - Leonard Cohen

I've heard there was a secret chord
かつて秘密の和音があったと聞く

That David played, and it pleased the Lord
ダビデ王がそれを奏でると主が歓びたもうたとか

But you don't really care for music, do you?
でも貴女はさほど音楽に関心がない、そうでしょう?

It goes like this, the fourth, the fifth
それはこんな風、四度の和音、五度の和音

The minor fall, the major lift
短調の落胆、長調の高揚

The baffled king composing Hallelujah
迷いの王が詠う歓びの言葉


Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


Your faith was strong but you needed proof
貴方の信義は強くとも、その証はなかった

You saw her bathing on the roof
貴方は屋根の上で水浴びする女を見てしまい

Her beauty in the moonlight overthrew you
月光が映し出すその美しさは貴方を変えてしまった

She tied you to a kitchen chair
女は貴方の自由を奪い

She broke your throne, she cut your hair
地位を奪い、力を奪った挙句

And from your lips she drew the Hallelujah
貴方の唇から歓びの言葉を引き出した


Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


Baby I've been here before
ねえ、ここには来たことがあるよ

I know this room, I've walked this floor
この部屋は見覚えがある、この階を歩いたことがある

I used to live alone before I knew you
君と出会うまで私は一人で生きてきた

I've seen your flag on the marble arch
大理石の門に立つ君の旗を見たこともある

Love is not a victory march
愛は勝利の行進曲ではなくて

It's a cold and it's a broken Hallelujah
それは熱のない、たどたどしい歓びの言葉

Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


There was a time you'd let me know
かつて貴女は教えてくれた

What's really going on below
下のほうがどうなっているのか

But now you never show it to me, do you?
でも今では貴女は何も見せてくれない、そうでしょう?

Remember when I moved in you
思い出して、私が貴女の中で動いたとき

The holy dove was moving too
聖霊も降りて来ていたことを

And every breath we drew was Hallelujah
そして私達の吐息ひとつひとつが歓びの言葉だったことを

Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


You say I took the name in vain
私が徒にその御名を利用した、と貴方は言う

I don't even know the name
私はその御名を知らないのに

But if I did, well really, what's it to you?
仮に知っていたとして、それが貴方とどう関係があるのか

There's a blaze of light in every word
全ての言葉にはまばゆい輝きがあるのだから

It doesn't matter which you heard
貴方が耳にしたのがどちらであろうと関係ない

The holy or the broken Hallelujah
聖なるハレルヤでも、片言のハレルヤでも

Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


I did my best, it wasn't much
出来る限りのことはしたが、微力でしかなかった

I couldn't feel, so I tried to touch
感じることができなくて、手で触れようとすらした

I've told the truth, I didn't come to fool you
本当のことだ、貴方を欺こうとしてはいない

And even though it all went wrong
例え何一つ上手くいかなかったとしても

I'll stand before the Lord of Song
私は歌の神の御前に立ち続けよう

With nothing on my tongue but Hallelujah
ハレルヤの言葉だけを唇に乗せて

Hallelujah, Hallelujah
Hallelujah, Hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ…


"Hallelujah" Leonard Cohen

14 件のコメント:

  1. この歌はYou TubeでAmanda Defacendisという素人の女の子が、歌っているのを見て初めて知ったのですがとってもいい曲ですね。
    一度、彼女の歌った"Hallelujah"も聞いてみてください。

    http://www.youtube.com/user/defacea

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  2. コメントありがとうございます。動画見ました、素敵な歌声ですね。

    ご存知かと思いますがオリジナルはこんな感じです。

    http://www.youtube.com/watch?v=a3Fkuq5Lf0Q

    一番有名なのはジェフ・バックリィの演奏のようですね。

    http://www.youtube.com/watch?v=WIF4_Sm-rgQ

    僕が知ったのはジョン・ケイルによるカバーで、今でも一番好きです。

    http://www.youtube.com/watch?v=vEOZLQ3d1FI

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  3. 話の流れからして「ダヴィデ王」は「少年ダヴィデ」の方がよいと思います。後に王にはなりますが。Loadはサウル王だったと思います。
    こちらの訳に問題があるわけではありませんが、短調、長調も実際にコードの第三音が半音上下する意味もふくまれていますから、日本語にするのが難しいですね。曲のコード進行もEmからF(major)だったりします。
    2番はサムソンとデリラのお話。
    「貴方の信義は強くとも、その証はなかった」は「証を求められた」の方がよい気がします。それでサムソンは「オレの力の秘密は髪の毛だ」と教えるのですから。
    鳩が出てくるのは「ノアの方舟」のお話が暗に含まれていると思います。何十日も船に閉じ込められていて、陸地が出来ているか鳩を使いに出します。初めて外の空気を吸ったときの喜びをハレルヤで表現しているのだと思います。
    しばしばトリに歌われる歌詞、Meybe there's a God above の訳詞もお願いします。
    全体に暗喩の多い歌詞なので、訳すのは難しいですよね。
    こういう訳詞サイトがあると助かります。
    ありがとうございます。

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  4. Secret Chordさん、コメントありがとうございます。

    > 後に王にはなりますが。

    ホントは原詩の通り「ダヴィデ」で通したかったんですが、そこでダヴィデ「王」と書いて置かないと、後の「迷いの王」が誰のことか仏教徒にはわかりづらい、という難点があります。で、あえて「ダヴィデ王」にしました。

    > Loadはサウル王だったと思います。

    これはご指摘の通りかもしれませんね。

    > 曲のコード進行もEmからF(major)だったりします。

    Am->Fですよね、F->G->Am->Fの部分が歌詞の通りのコード進行になってる、という。

    > 2番はサムソンとデリラのお話。

    髪を切る、のくだりがサムソンとデリラなので紛らわしいでしが、ここもダヴィデです。女性はダヴィデが横恋慕する人妻バトシェバ。

    僕は寧ろ、髪を切るという部分がサムソンとは関係なく、卑しめ辱めを与える一般的な行為かなと、一度は考えました。が、下記の文章でデリラに言及しているので、やはりその含みもあるのでしょう。

    http://www.leonardcohenfiles.com/rte.html

    基本的にはコーエンが自らの姿をダヴィデに投影した作品、と言ってよさそうです。

    その他、この曲について色々考察して書いてますので、下記も一度通読してご意見頂ければ幸いです。

    http://d.hatena.ne.jp/flowerlava/20091220
    http://d.hatena.ne.jp/flowerlava/20091224
    http://d.hatena.ne.jp/flowerlava/20100116

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  5. いろいろ失礼しました。
    The Load はThe ですから「主」しかありえません。
    バト=シェバやスザンナも考えたんですが、後にThronが出てくるし、サムソンはないのでしょう。
    というより、さまざまなイメージのコラージュなのかもしれませんね。
    カヴァーが本当にたくさんあるんですね。
    YouTubeでいろいろ探したら、ノルウェイの男性4人のヴァージョンがあって、はまりました。

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  6. Secret Chord さん

    たまたま私が参考にした原詞が先頭大文字"Lord"だったので、そういう解釈になりましたが、歌詞ディスカッションのサイトではサウルへの言及もあったりして。ちょっと断定が難しくなってます。

    普通に考えれば最終ヴァースに出てくる"the Lord of Song"を指している、と結論したいところなんですが。でも、結局どちらでもよいのかも知れませんね。

    あと、書き忘れましたが「聖なる鳩」が登場するヴァースは性的な解釈もあるようです。

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  7. いまさらですが、横レス失礼します。

    Floorは階ではなく「床」じゃないかな…特に2階建て以上の建物という指定が歌詞にはないのと、この部屋のこの床を歩いたことがある、といっている気がしました。

    What's really going on belowは、「建前の裏、本音」という意味でも解釈できると思います。

    最後のTongue、まあ舌に乗せて、というのは日本語じゃおかしいのですが(笑)単純に口、といってもよかったんじゃないかなと思いました。

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  8. Shliviaさん

    なるほど、参考になります。

    "What's really going on below"のヴァースは「あからさまに性的は内容」と聞いたのでああいう訳にしてしまいましたが、ご指摘の通りに読むのがよさそうです。秘めた欲望を仄めかす、とか、そういうことですね。

    あと、歌は「唇に乗せる」ものですよね!そこは慣用句にならいました。

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  9. こんにちは

    Leonard Choenで最近動いているところを見つけれてうれしかったものですから、メールさせていただきました。

    FlowerLaveさんのコメントの

    "What's really going on below"のヴァースは「あからさまに性的は内容」と聞いたので・・・

    を読んで、なるほどそうだったのかと思わされました。ありがとうございます。

    You saw her bathing on the roofですが、ダビデ王と水浴びする女の話は有名ですし、bathingは水浴びではいかがでしょうか。バテシバが水浴びしていた時間はダビデ王の気を惹くために真昼間でしたので、コーエンの詩の月明かりのなかとイコールにはならないのですが;ダビデ王の時代からすると、入浴より「水浴び」が習慣であったようです。

    ミッション系の学校に行っていた時、聖書の時間に教えてもらって、ダビデ王の話はよく覚えています。ダビデ王が一方的に親友の奥さんに横恋慕したように見えるが、バテシバのほうに下心があって、本来親友の妻に手をだすような人ではないダビデ王にそうさせたのであると。人に女性が肌を見せることのない習慣で、とくに家事炊事に働いている時間、周りに壁の屋根もないところで女が素っ裸で水浴びすることじだいがありえないことなので、バテシバはダビデ王のほうから自分に手を出してくるように仕組んだことなのだとか。またダビデ王が理性で自分を律せないほどにそれほどまでにバテシバは美しかったのだろうということでした。
    書記たちはバテシバがそういう女で、ダビデ王もそれに気がつかないとはっきり伝記に書くと首を切られてしまう;それで読む人が読めばわかるように、「水浴びする女」にとどめて記録にのせたのだとか・・・

    既にご存知の事かもしれませんが、ご参考になれば・・。

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  10. > 匿名さん

    返事遅くなり申し訳ありません。

    「水浴び」の件、ご教示ありがとうございます。訳を改訂しました。当方、キリスト教やユダヤ教とは無縁に生きてきましたので、聖書に関するご指摘は本当にありがたいです。

    バテシバの逸話も概要しか知らなかったので大変参考になりました。女性に惑わされるダビデ王に、作者が自らを投影した曲、と言えますよね。

    そう考えると、一見した印象と違って、宗教・文化の違いを越えて共感できる歌だなぁと思ってしまいます。

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  11. FACEBOOKで、シェアさせていただきました。

    魔法の懸かった曲ですね!
    日本では、あまり知られていないのが残念です。

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  12. Flowerlava様
    京都で長らくゴスペルバンド主宰やゴスペル講師を
    しております、木原千賀子と申します。
    レナードコーエンのハレルヤに魅せられ
    来年1月のライブで歌います
    ところどころ日本語を入れるのですが
    言い回しを考えるにつけ、
    Flowerlavaさんの言い回しがとても
    しっくり来ます
    素敵な、心に沁む訳です!

    ほんとに一部分なんですが
    歌に入れさせていただいても
    よろしいでしょうか?

    なんでしたら全容を送らせていただきます

    プログラムにはFlowerlavaさんのサイトより
    引用と紹介させていただきます

    どうぞよろしくお願いいたします

    ちなみに別の曲ですが
    日本語入り英語曲の参考までに
    youtube貼り付けておきますね

    https://youtu.be/kzUmKb-AU6w

    こんなムードです






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    1. 木原さま

      コメントありがとうございます。返信遅くなってごめんなさい。

      引用の件、問題ありませんのでお進め下さい。問題どころか大変光栄です。当方IDやURLの紹介については、ご配慮無用です。それほどのものでもありませんので・・・

      ライブのご成功をお祈り申し上げます。




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  13. ありがとうございます^_^
    頑張って練習して、いいライブにしていきますね
    1/28ですので
    終わったらコメントしますね
    動画貼り付けます!

    きはらちかこ

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